忍者迷路
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今から18~9年前、家族で訪れた潮干狩りの砂浜で あるタイムカードを拾いました。

そのたった一枚のカードで その後の我家の休日の過ごし方は一変・・・。
『あまさぎ忍者迷路 』と書かれたそのカードには、かわいい忍者のイラストと
たくさんのスタンプが捺されていて 長男は興味津々で目を輝かせていました。
当時、片道3時間をかけて天鷺(あまさぎ)村の忍者迷路まで毎月出かけたのです。

「あまさぎ忍者迷路」は忍者をテーマにした木製のジャンボ迷路。
迷路は平らばかりではなく、アップダウンがあったり 床がねじれていたり、隠し戸や
3階建ての建物があったりとかなり複雑な作りになっていました。
迷路のあちこちに設置された「いろはにほへとちりぬるをわかよた」の16個のスタンプを
45分以内にすべて集めて出口にたどり着くと「大忍者の証」をもらえるのです。
その「大忍者の証」が欲しくて何度も何度も通うハメになったのです。

今、東京から二人の息子が帰省していて、昨日その思い出の忍者迷路を訪れよう
ということになりました。道路状況が改善されて現在は片道2時間でたどり着きました。
けれど、駐車場には車一台止まっていなくて入口には「閉園しました」の張り紙。
霧雨の降る中、辺りを歩くと一箇所壊れた外壁がありそこから中を覗くことが出来ました。
かつては賑わいを見せたこのテーマパークも遠い過去のものになっていました。
息子たちにとって記憶の中の忍者迷路は実物の10倍くらいの大きさがあったそうです。
体力と知力を使って手にした念願の「大忍者の証」を得意気に持った長男を思い出しました。

このあまさぎ忍者迷路は(現在の由利本荘市の)第三セクターとして89年にオープン。
しかし、目玉遊具であるスーパースライダーが故障したほか、他の遊具も老朽化が進み、
億単位の税金で遊具を修復しても、集客が見込めないとして昨年閉鎖を決めたそうです。
( ピークの95年度には約20万5千人の利用者が、06年度は約3万4千人に激減。)

当時、往復6時間かけても また訪れたくなるほど我家にとっては魅力的な場所。
息子たちの大喜びの顔。ここから勇気と元気とチャレンジ精神をもらっていたように感じます。
廃墟となった今、、流れた時間の長さと尊さを教えられました。
砂浜に落ちていた一枚のタイムカード・・・ そして、20年後の未来の現在、
あれは家族で過ごした思い出へのチケットのような気がしました・・・。
by bull_chihoko | 2009-06-08 09:09 | 旅・お出かけ
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