第9地区


映画史上、衝撃的なSF作品が出現しました。
全くの新人監督、しかもスター皆無のキャスト、低予算の作品『第9地区』
なのに第82回アカデミー賞作品賞を含む4部門にノミネート!
監督・脚本はこの作品がデビュー作となるニール・ブロンカンプ、30歳。
天才とはこの人のためにある言葉なのではと思ってしまうほど。
南アフリカ・ヨハネスブルグ出身で、本作品の舞台がまさにその場所。 
20年も宙に浮かんだまま動かない巨大UFO。
侵略者ではなく大量の宇宙人難民のエイリアンが、差別の対象としてゴミ溜めの中で
嫌悪感を覚えずにはいられないほど醜い姿でゴミを漁りながら暮らしている、第9地区。
でも、それは南アフリカのアパルトヘイトの原風景。
度肝を抜く設定で、奇抜な映像と臨場感でぐいぐいと引き込まれます。
クライマックスでは血みどろのグチャグチャ凄まじいバトルシーンの連続ですが
監督はこの血みどろに 生き物の生血と生肉・生骨を使ったほどのこだわりよう。
かなりグロテスクで異臭さえ感じてしまうエイリアン、しかしながらその心には
全く正反対の清らかな「愛」と人間は到底及ばない高い知能があるのです。 
このギャップの大きさが衝撃的です。
醜いとは何なのか、見かけなのか、心のあり方なのか、そこに気づかせてくれます。
ブっ飛びのSF映画でありながら真理眼を持った作品。
新人監督のデビュー作であることを考えにいれなくても
この作品は正にあらゆる意味で驚異的な出来です。
 
by bull_chihoko | 2010-04-11 12:03 | 映画の感想 | Comments(0)
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