ブロカント 〜美しいガラクタ
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『ブロカント』という言葉をご存知でしょうか···。アンティーク好きの方は知ってる方が多いと思いますが、一般的にはまだ馴染みの無い言葉です。
ブロカント(Brocante)とは、フランス語で「美しいガラクタ」という言葉が語源となっているようです。
ヨーロッパでは物を愛し、長く大事に使用することが暮らしの中に根付いています。
ブロカントは、その様な文化の中、大切にされてきた美しい古道具を意味します。
アンティークとよく併用されますが、アンティークとは本来作られてから100年以上経った物で美術的な価値や収集の価値があるものを意味します。
これに対してブロカントは、アンティークほど年月は経っていないものの人々に愛され大事にされてきた美しい道具類のことを意味します。
例えば、何十年も使い込まれたお鍋、古く錆ついた缶、変色した紙箱など···。
興味の無い方から見ればただのガラクタなのですが、見る目を変えれば、それは長い年月を経た物だけが持つ『味』なのです。そのものが、そこに在るだけで空気が変わってしまうほどの存在感。ブロカントにはそういう魅力があります。
ここ数年、若い人たちの間でもこのブロカントが親しまれてきています。
これはとてもいいことだと思います。
昔のおばあちゃんがお菓子箱に綺麗な包装紙を貼って小物入れにしていたように、物を大事にする気持ちが復活してきているように感じています。
これはバブリーな時代には無かったことかもしれません。
例えば、何十年も前に使っていた鉛筆削り機や木製定規を机の引き出しから見つけたとします。その時に感じる懐かしさと愛おしさ。使える物ならまた使おうとします。新しい物には無い満足感と幸福感を味わうことができるのではないでしょうか。
リメイクしたり、古い物をもう一度見直す目を持つことは、ご自身の暮らしそのものを豊かにすると共に今までの人生をマクロ的に感じながら生きることにつながるように思うのです。
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今日の写真は英国のお屋敷にあったというプレスガラスの窓。
飴色に変色した美しい花模様のガラス。釘穴の錆までも芸術的に感じてしまいます。
この窓をクリスマスのディスプレーステンドグラスとして使っています。

わたしはブロカントという言葉は今後もっと世の中に浸透していくと思います。
なぜなら、時代が物の大切さに気づき始めているからです。
by bull_chihoko | 2011-01-12 11:59 | アンティーク
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