剱岳 点の記 ・ 剱岳 撮影の記
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今更ながら「剱岳 点の記」を鑑賞しました。
これは奇跡の映画だと思います。
天空の地上3000mで映画を撮るというのですから、前人未到の映画製作です。
映画の設定は、明治40年、古来その険しさから「針の山」、宗教上の理由から登ってはならない死の山と云われてきた前人未踏の山「劔岳」に、日本地図完成という使命を果たすため険しい山中27箇所に三角点を設置記録する、まさに「点の記」。
監督・撮影を手がけたのは「八甲田山」など日本映画界の名カメラマン木村大作氏。カメラマンとして50年のキャリアを生かし、この作品で初監督に挑みました。
とにかく、剱岳の神々しい姿に圧倒されます。 
カメラマンがメガホンを撮るとこれほどの映像美が映し出されるとは。
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驚愕の色彩・画角の安定感・究極のリアリズム。
木村監督自らスタッフに「これは撮影ではない。苦行である」と気合いをかけ、延べ200日以上を費やし、標高3000メートルを越え­、最低体感温度が氷点下40度超の劔岳・立山連峰各所でのほぼ順を追ってのロケーションを敢行。
役者にリアリズムを持たせるために、順撮りという物語の進行順に撮影が進む手法で撮影されており、さらに往復10時間以上かけて恐ろしい岩山を命がけで登山し、何時間も天候の回復を待ちながらもワンカットも撮影できないという、途方も無いモチベーションが必要とされた映画です。撮影スタッフは重さ30kgの機材を背負っての登山ですので、本当に有り得ない撮影環境です。
この映画の始まりは木村監督たった1人の熱い思いから。
当初、資金繰りが難航しても、この映像美と木村監督の熱意が人を動かし
やがてその年の日本アカデミー賞6冠を達成するという快挙を成し遂げた映画です。
こういう孤高の精神を感じる映画に今後めぐり合うことができるのでしょうか。
それほどまでに日本魂を見せつけられた映像でした。

合わせてこの映画の撮影ドキュメンタリー映画「剱岳 撮影の記」も鑑賞。
こだわらないと撮れない映像、そして運。
ひたすらじっと待つ、光が届くまで何時間も待つその姿に教えをいただきました。
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by bull_chihoko | 2012-03-05 14:18 | 映画の感想 | Comments(0)
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