カナカナ
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「 涙溢るるごとく ひぐらし鳴きいだす 」

今日、この情景のような森の声を聴くことができました。
仕事から帰ってから、映画 『歩いても歩いても』 を一本観終わったら、
明け方の4時ちかく。
ベッドに入ると外からカナカナの鳴き声が 近くから遠くから聴こえてきました。
物悲しく透き通った美しい声。
カナカナ、カナカナ、カナカナ・・・・・
雨が降り出しても
カナカナ、カナカナ、カナカナ・・・・・
さらに雨が強く降っても
カナカナ、カナカナ、カナカナ・・・・・
その響きは 生きる強さと儚さの真逆の声の重なり 
まるで 森から涙が溢れ出ているかのようでした。
こんな朝を迎えることはなかなか無いので
窓を開けて
カナカナのシンフォニーに抱かれながら眠りにつきました。


カナカナ(ひぐらし)は俳句では秋の季語とされ、
晩夏の蝉のイメージですが
実際には 明け方前と薄暮の時間だけ
梅雨の時期から鳴いています。

7月とはいえ、今朝の庭はもう既に秋の気配。
どんぐりの葉が散り始めていました。
昔の俳人は 季節に敏感だったことがうかがえます。
by bull_chihoko | 2010-07-23 10:31 | 自然
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