森の妖精
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一年に一度きりの逢瀬の七夕の昨日、
一生に一度も無い人がほとんどだと思われるほどの奇跡の出逢いがありました。
川のせせらぎと初夏の木漏れ日が目に優しい緑の森の中を歩いていると
ススススーっと小さな生き物がわたしの足元に走って来て、
通り過ぎてピタっと静止したのです。思わず踏んでしまいそうでした。
本当にちっちゃな体を小刻みに震わせながら全く動こうとせずに
澄んだ大きな黒い目をじっとこちらに向けていました。
なんと、森の妖精といわれている『ヤマネ』が目の前に現れてくれたのです。
この瞬間、わたしは森の神秘のオーラに包まれました。
目の前に森の小さな神様が降臨したような、幸福感で満たされた時間、
川のせせらぎも小鳥の声も何も聞こえなくなった永遠のやすらぎ。
まさに森の妖精と呼ばれるにふさわしい存在でした。
真実の森の姿に出逢えたような、その命の輝きに感動を覚えました。
話しかけても、写真を撮ってもその場を動こうとしません。
ヤマネは夜行性の生き物なので、日中に遭遇することはまず無いのです。
それが目の前に現れてくれた奇跡を本当に有り難く感じました。
しばらくここで神聖な時間を過ごしましたが、
森の妖精は動こうとしないので、わたしのほうが見送られました。
その小さな命を全うできるようにと祈りつつ···。


【 ヤマネ 】
ヤマネは準絶滅危惧種で、日本の天然記念物にも指定されています。
体長6〜8cm、体重18gほどのちっちゃな動物です。
ふさふさしたしっぽと体毛で、リスやモモンガなどの齧歯類の仲間です。
とても愛くるしいその可愛いさとはうらはらに、大変たくましく神秘的な動物です。
日本で発見された最古の化石は約50万年前のものだそうです。 
さまざまな環境の変化に対応し、この小さな体で現在まで生き続けているのです。

※上の写真は、わたしがそのとき撮影したものをトリミング無しで掲載しています。
30センチくらいまで近づいての撮影でした。
by bull_chihoko | 2011-07-08 10:13 | ペット・動物
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