アリ
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昨日のアリジゴクに引き続き、今日はエサとなるアリについて。
ありふれた昆虫のアリ、・・・実は、知ってそうで知らないことがたくさん。
なんと、アリはスズメバチ科に属しているのです。
一般認識としてハチとアリは区別されていますが、これは日本のアリの多くが毒針を持たないことと、生殖目的以外では翅を持たずに地面で生活するからのようです。
しかし、スズメバチから見ても、同じハチとして認識されているミツバチよりも
アリ類の方が近縁だということで、驚きました。
言われてみれば、腹部のくびれている形や女王中心の組織、働きバチや働きアリなど
基本的な部分で多くの共通の特徴がありますね。
ところで、アリの繁殖の方法をご存知でしょうか。
あの地面を這って生活しているアリが、空中で交尾するのです。
アリは年に一度、巣から羽を持つ成熟した処女女王アリと雄アリが多数飛び立ち、
結婚飛行をします。
空中で交尾した雄アリは力尽きてすぐに死んでしまいますが、処女女王アリは貯精嚢に交尾した雄アリから得た一生分の精子を貯蔵し、地上に降り立った後に自ら羽を落とし、巣穴を掘るか木の皮の隙間などに潜むなどして女王アリとしての最初の産卵行動に入るのだそうです。
女王アリは産卵時に雌(有精卵)と雄(無精卵)を生み分けできるといわれ、
通常、初期のコロニーでは雄をつくらず、ほとんど雌となり、与える餌やフェロモンなどによって働きアリにするか処女女王アリにするかをコントロールするそうです。
小さな昆虫の世界で、とても神秘的なメカニズムが存在しています。

ところで、今日の写真はわたしが庭で撮ったムネアカオオアリです。
1cmほどある種類の大きな働きアリですが、動くのを撮影するのは難しかったです。
アリのすぐ後ろにある円錐形のくぼみがアリジゴクの巣穴です。
一生をかけて懸命に餌を探しまわるアリ、
そのアリが落ちるのをただじっと待つアリジゴク。
昆虫の中で、アリジゴクの成虫のウスバカゲロウが最も短命だそうですが
わたしは自分たちの餌のアリを守るために短命なのではないかと思っています。
長生きしてアリジゴクが増えすぎたら結局は餌のアリが足りず自滅してしまいます。
生態系のバランスを維持するため、短命なのではないでしょうか。
小さな虫たちも命を次の世代につなげるために必死に生きています。
by bull_chihoko | 2011-09-16 10:57 | 自然
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