先日このブログで紹介いたしましたエピゾード「不思議 なぜ?」の答えが
わたしなりに見つかりましたので、書いておきたいと思います。 南極観測が日本にもたらしたものとは何なのでしょう。 昭和32年、南極の中で最も過酷な接岸不能と言われていた地に日本の国旗を立てるには極寒でも機能する機材や設備など世界一の技術力の開発が必要でした。 その時代に利益につながらくても日本の見果てぬ夢に向かって協力したのが、後に世界的に発展するホンダやSONYなどの企業でした。 また、南極は地球のバックグラウンドを知る最適な場所で、氷床下に存在する大陸基盤を通して40億年におよぶ大陸の起源や気象・環境やオーロラをはじめ、たくさんの隕石から自然科学や天文学の研究ができ「宇宙への窓」になっています。 南極観測元年からもう50年以上未来の現在、次の世代や未来に何をどう伝えていけばよいのでしょう。 さて、問題の「なぜ?」ですが、その答えのヒントはこのエピソードがずっと長く50年以上も語り継がれ、今なお日本のみならず世界の人々に影響を与えているところにあるのではないかと考えました。 そこにはきっと、普遍の真理が内包されているに違いないからなのだと思います。 犬たちは愛しい家族と引き離され、南極探検という、いわば人間のエゴに付き合わされ、鎖につながれ連れて行かれました。 それでも犬たちは鋭く凍てつく氷の道を足から血を流しながらも、ボツヌーテン(標高1486m)を目指し数百キロも人間のために走り続け、この山の人類初の登頂という偉業に貢献しました。 そして、命を預けあった人間と犬という仲間でありながら、困難な状況のなか、人間の命を優先して犬だけを南極に置き去りにして帰国するという選択がなされました。 置き去りにされて死んだ犬たちと一年後に再会した主人公は、犬たちが首輪から抜けようとして もがき首を血だらけにした亡がらを見て母艦の宗谷に報告しました。 「あきらめなかったのは・・・。人間ではなく、犬たちだった。」と・・・。 それから半世紀以上たった現在、地球環境は著しく破壊されてしまっています。 わたしたちは今、地球上の生き物たちを置き去りにしているのではありませんか? 共に命を預けあって地球という星は成り立っているというのに、仲間であるはずのすべての生き物たちに気持ちを向けていないのではないでしょうか。 あの時、仲間である犬たちを見捨てず救おうとしたなら、人間も共に死んだのかもしれません。わたしが強く感じるのは、そこなのです。 たとえ人間に危険が及ぼうとも決してあきらめず、犬たちを助けに行かなければならなかったのではなかったのかということなのです。 それこそが、次の世代に夢と命をつなげる一番大事なことだと思います。 これからの時代は、ここに目を覚まして全てを見直し、生きて行く必要があるのではないでしょうか。 罪も無い命に、人間の罪を負わせないために・・・。
by bull_chihoko
| 2011-12-20 10:57
| 自然
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