盛岡にて③  光原社
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先日訪れた盛岡へのもう一つの目的は、「光原社」さん。
ここは宮沢賢治の童話集「注文の多い料理店」を初めて世に送り出した出版社で、
社名「光原社」も宮沢賢治によって名付けられました。
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賢治の没後、民芸品をお取り扱いになり、半世紀以上にわたって北東北を中心に
日本各地の漆器や焼き物、手編みの籠など工芸品をお届けしていらっしゃいます。
最近のマイブームの編みカゴ、山ぶどうやアケビなどの逸品が並んでいます。
確かな技術の職人さんの作品は見応えがあり、目の保養になりました。
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「光原社」さんは日本中の工芸店のリーダー的存在のお店です。
失われようとしているこれらの伝統的な技が残っているのは、
作り手と使い人との素敵な出会いを実現させてくださるお店があるからこそですね。

盛岡にて③  光原社_e0162117_10234964.jpg中庭があり、本店といくつかの店舗に分かれて展開されています。
お洋服やアクセサリーもありましたが、素材とデザインすべてに天然物の息づかいを感じるラインナップでした。
国内外を問わず、作り手の愛情がこめられたお品物が並んでいました。

建物の一つのマジュル館にあった古い木製の看板。
こちらは、なんと!かの世界的な版画家の棟方志功氏の手彫りの看板です。
当時無名だった宮沢賢治と棟方志功とのコラボ!
後にお二人とも世界の歴史に刻まれる活躍をされるのですから、この看板に芽吹く前の固いつぼみのような内包された力強さを感じました。
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「光原社」さんの佇まいは細部にわたり芸術性の高さが漂っていました。
狭い入り口を抜けると、石畳の中庭が広がってレンガと漆喰の建物に、雨ニモマケズの一節が書かれていて、その和洋折衷の懐かしい風景はまさしく宮沢賢治の世界観を感じさせてくれる場所になっています。
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中庭には「可否館」という素敵なカフェがあります。
中に入るとコーヒーのとても良い香りに包まれていました。
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普段は紅茶党のわたしでも、その香りの良さに思わずコーヒーをオーダーしたくなるほどの素晴らしい香り。
やはりそれは的中、かなりハイレベルの美味しさ。
感動的な香り高いコーヒーをいただくことができました。

手作りや工芸が好きな人にとって、「光原社」さんは理想郷のようなお店でした。
イーハトーヴ、そのもののような・・・。
by bull_chihoko | 2012-04-05 11:40 | 山ぶどうのかごバッグetc
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